多焦点眼内レンズとは
多焦点眼内レンズとは
多焦点眼内レンズとは?
多焦点眼内レンズは、単焦点と異なり、遠くと近くが見える(もしくは見える幅が広がった)眼内レンズです。2007年に厚生労働省の承認を受け、2008年に先進医療として承認されました。(多焦点レンズを用いた水晶体再建術の先進医療の適応は、2020年3月31日をもって終了しました。)
白内障手術では、濁った水晶体を摘出し代わりに人工レンズ(眼内レンズ)を挿入します。眼内レンズには単焦点眼内レンズと、多焦点眼内レンズがあります。従来からある単焦点眼内レンズは、ある一点にピントを合うレンズです。そのため、見たい距離にピントを合わせることはできず、ほとんどの場合メガネが必要になります。多焦点眼内レンズは遠方と近方の両方にピントを合うため、眼鏡を使わない日常生活、眼鏡の使用頻度、依存度を減らすことができると考えられQOL改善に役立つ可能性があります。
人間のレンズ(水晶体)は、膨らんだり薄くなったりと形を変えて、遠くや近くにピントを合わせます。多焦点眼内レンズが遠くと近くにピントを合わせる仕組みはこれとは全く異なります。
多焦点眼内レンズは、目に入ってきた光を遠方用と近方用に振り分けます。そのため、遠方も、近方も、これまでよりもやや少ない光で見なければなりません。このため、コントラスト(くっきりシャープな像、微妙な濃淡)の感じ方が落ちます。一方、単焦点眼内レンズは目に入ってきた光を振り分けず使うので、ピントは1か所しか合いませんが、コントラストは高い見え方になります。
多焦点眼内レンズの特性としてコントラストの低下があるため、眼鏡で矯正しても補正できない場合があります。